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ウィキスピーシーズにヤイトムシ目に関する情報があります。ヤイトムシ目(学名:Schizomida)は、節足動物門鋏角亜門クモ綱に所属する分類群である。 サソリモドキと似たような外見を持つ微小動物。かつて、サソリモドキと同じ仲間と見なされたこともある。
大きさは1cmに満たない小型の動物、胴体は縦長い。 頭胸部は細長く、背甲は前後に分かれ、前半部が大きく、後半部は細く更に左右に分かれている。この特徴は "分かれた中心" を意味する学名 "Schizomida" の由来となる。
鋏角はクモのものに似た鎌状で毒を持たず、餌を食いちぎるようになっている。触肢は太短く垂直の鎌状となり、捕獲用に使えそうになっている。第1脚は細長く、前に伸ばして触角のように使う。他の三脚は丈夫にできている。
腹部は楕円形で体節に分かれ、頭胸部とつながる部分はやや狭まる。末端は細くなり、短い尾節を持つ。雄の尾節は節に分かれず、雌は3 - 4節ほど分かれる。
肉食性を持ち、湿潤な環境を好む、光を避ける。森林の落ち葉や朽ち木の間、洞穴のれきの隙間などに生息する。
配偶行動としては、婚姻ダンスを行うものが知られている。雌は雄の尾に掴まり、前後につながって移動し、雄が地上においた精包を受け取る。産卵時には雌は地中に小さな穴を掘って潜り、卵を腹につけて孵化まで保護するという。
世界の熱帯を中心に広く分布する。日本では琉球列島にヤイトムシ、ウデナガサワダムシ、小笠原諸島にサワダムシなどを産する。
捕脚状の触肢、腹部の形状、細長い第1脚など多くの共通点を持つサソリモドキ目の姉妹群となり、共に有鞭類(Uropygi)を構成する。