カラス科(カラスか、学名 Corvidae)は、鳥類スズメ目の科である。
カラス(烏・鴉)と総称されるが、狭義には(明確な定義はないが)カラス属など数属をカラスと総称する。カラス科には他に、カケス類・オナガ類・サンジャク類・カササギ類などが含まれる。
アフリカ大陸、オーストラリア大陸、北アメリカ大陸、ユーラシア大陸、アイスランド、アイルランド、イギリス、インドネシア、日本、パプアニューギニア、マダガスカル。
最大種はワタリガラスで全長65cmとスズメ目でも最大種。多くの種では全身が黒い羽毛で覆われるが、多彩な色彩の羽毛を持つ種もいる。
嘴や後肢は頑丈で、鼻孔は羽毛で覆われる。
囀らない。多くの種は樹上や断崖に木の枝を組み合わせたお椀状の巣を作り、卵を産む。
カラス科など7科はカラス上科の中で単系統をつくるが、互いの系統関係は不確実である[1]。
カラス科内の系統樹は Ericson et al. (2005)[2]; Bonaccorso & Peterson (2007)[3]。カンムリカケス Platylophus は図示されていない。2つの大きく放散した系統があり、1つは新世界に生息し New World jays(新世界カケス類)と呼ばれ、もう1つは旧世界に生息しカラス類・カササギ類・旧世界のカケス類などが含まれる。
伝統的にカラス科とされてきたが論争のあったヒメサバクガラス Pseudopodoces は、スズメ小目のシジュウカラ科 Paridae に移され、さらにシジュウカラ属 Parus に含められ学名も Parus humilis となった。カンムリカケス Platylophus はモズ科 Laniidae に近い可能性があるが、カラス科に留められている(分類は国際鳥類学会議 (IOC) を基準とした[4])。
Sibley & Ahlquist (1990) ではカラス族 Corvini とされ、カラス亜科に含まれていた。
適応力が強く食性が幅広いため、市街地などの他の鳥類が生息しないような環境でも見られることがある。
一方で開発による生息地の破壊、人為的に移入された動物による捕食などにより生息数が減少している種もいる。