オマキザル科 (オマキザルか、Cebidae) は、霊長目に分類される科の1つ。中南米に棲息するサルのグループである広鼻猿類(新世界ザル)を構成する科の1つである。南アメリカ・中央アメリカの熱帯・亜熱帯地域に広く分布する。
本科に属するサルは樹上性であり、地上に下りることはめったにない。一般的に小型のサルであり、頭胴長17-19cm・体重120-190gのピグミーマーモセットから、体長33-56cm・体重2.5-3.9kgのフサオマキザルまでを含む。形態も色彩もかなり多様であるが、いずれも新世界ザルに典型的な広く平らな鼻をもつ点では共通している。
雑食性であり、ほとんどは果実食および昆虫食だが、種によって餌とするものの割合は大きく異なる。歯式は 2.1.3.2-3/2.1.3.2-3 。
メスは、種によって異なるが、130-170日の妊娠期を経て、1-2頭の子を生む。社会的な動物であり、5-40頭の成獣が群れを作るが、典型的には、小型の種の方がより大きな群れを作る。一般的には昼行性である[3]。
広鼻猿類は伝統的に、小型のマーモセット科(キヌザル科)と中型から大型のオマキザル科の2科に分けられ[4]、クモザル類やサキ類などはオマキザル科に含まれていた[5][6][7][8]。しかし、伝統的なオマキザル科は側系統であることが明らかになっている[1]。
John Fleagleによると、オマキザル科はオマキザル亜科・マーモセット亜科・ヨザル亜科で構成される[9]。一方でColin Grovesによる分類では、オマキザル亜科からリスザル類を分割してリスザル亜科とし、ヨザル類を本科から独立させヨザル科としている[1]。またAnthony RylandsとRussell Mittermeierは、マーモセット類やタマリン類を以前のように独立したマーモセット科とすることを提案しており、その説に従えば本科はオマキザル亜科とリスザル亜科で構成される[10]。
以下の分類・和名・英名は、主に日本モンキーセンター霊長類和名編纂ワーキンググループ (2018) に従う[2]。上述の分類体系によって特に異なる部分に関しては注記を行う。