Vivvera suricatta Schreber, 1776
Suricata capensis Desmarest, 1804
ミーアキャット(Suricata suricatta)は、哺乳綱食肉目マングース科スリカータ属に分類される食肉類。本種のみでスリカータ属を構成する。別名ミーアカット[4]、スリカータ、スリカタ。
模式標本の産地(基準産地・タイプ産地・模式産地)は喜望峰[2]。
体長25 - 31センチメートル[4]。尾長17 - 25センチメートル[4]。体重オス626 - 797グラム、メス620 - 969グラム[2]。背面は肩1.5センチメートル・尾基部は2センチメートルと長く柔らかい体毛で被われるが、腹面はまばらに短い体毛で被われる[4]。背面は黄褐色や灰褐色や灰白色で[4]、暗褐色の横縞が入る[3]。横縞の数は10本[4]。顔や喉は灰白色[3]。眼の周囲や耳介は黒い[3][4]。尾の先端は黒く[3]、基部は黄褐色[4]。
歯列は門歯が上下6本、犬歯が上下2本、臼歯が上下6本、大臼歯が上下4本で計36本[2][4]。四肢は細く、指趾の本数は4本[4]。前肢の爪は長く1.5センチメートルで、後肢の爪の2倍以上の長さに達する[4]。
オスにのみ肛門の周辺に臭腺(肛門腺)がある[4]。乳頭の数は6個[4]。
以下の分類・分布はStaaden(1994)に従う。
石や岩の多い荒地やサバンナに生息する[4]。昼行性[4][5]。地中に直径10センチメートルの巣穴を掘って生活する[4]。ペアもしくは家族群で生活し、複数の家族群が一緒に生活することもある[4]。
昆虫、クモ、サソリ、多足類、爬虫類、鳥類、小型哺乳類、植物の茎、芽、根、果実などを食べる[4]。
繁殖様式は胎生。10月から翌4月に交尾を行い、妊娠期間は11週間[4][5]。1回に2 - 5頭の幼獣を産む[4]。授乳期間は4 - 6週間。幼獣は生後12 - 14日で開眼する[4]。生後3 - 4週間で固形物を食べるようになる[5]。生後10週間で独立する[4]。生後9か月で性成熟する[4]。
群れには一組の優位オスと優位メスがいて、このペアのみが繁殖活動を行う。群れの他のメンバーは基本的に繁殖をせず、ヘルパーとして子守や授乳を行う。また、ヘルパーが幼い子供達に餌の捕り方を教育するという行動が観察されている(Thornton A. et al., Science 313, 227-229 (2006))。
名前のSuricataは南アフリカでの呼称に由来する[2]。英名Meerkatは古い文献ではmierkatとされ、これはアフリカーンス語で「シロアリ(mier)のマングース(kat)」の意で、本種が蟻塚の上で直立したりシロアリも食べることが由来と考えられている[2]。
農地開発の影響やペットとして流通することもあるが、種として絶滅のおそれになるような脅威はないと考えられている[1]。
ペットとして流通する事もある[1]。日本では1976年に日本平動物園が飼育下繁殖に成功した[6]。富山市ファミリーパークでは1985年から1991年現在までに4回の繁殖に成功している[5]。飼育下では複数のペアで飼育すると特にメス同士が激しく闘争し、全滅した例もある[5][6]。
映画『ライオン・キング』のティモンのモデルとなっている。